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不動産コラム

不動産ポータルサイトの活用

不動産マーケティングとは? 反響を増やす手法と「まずやる順番」を解説

不動産 マーケティング アイキャッチ画像

ポータルの掲載費は上がるのに、反響は思うように伸びない。SNSやブログも気になるけれど、「結局なにから手をつければいいの?」と立ち止まってしまう方もおおいのではないでしょうか。

かつての不動産営業は、「気合」と「足」で結果を出すやり方が王道でした。しかしスマホが当たり前になり、情報がすべて見えるようになった今、そのやり方だけでは通用しなくなっています。
いまは「売れる仕組み(マーケティング)」を持たない会社ほど、じわじわと厳しくなっている時代なのです。

この記事では、不動産マーケティングの基本的な考え方から、明日すぐに試せる具体的な手法までを、順を追ってお伝えします。
「本を読んでも難しくて挫折した」という経験がある方でも、肩の力を抜いて読める内容にしています。ぜひ最後までご覧ください。

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目次

【1分で整理】不動産マーケティングって結局なに?

結論から言うと、不動産マーケティングとは、営業担当がクロージング(契約業務)だけに集中できる環境を整えることです。
営業が本来の力を発揮できるよう、まわりを先に整えておく役割だと考えると、イメージしやすくなります。
「マーケティング=集客」と思われがちですが、それだけではありません。広告を出して人を集めるのは、あくまで入口にすぎないと言えます。

実際には、「反響を増やす」ことに加えて「営業のムダを減らす」役割も担っています。
すでに関心や納得感が育った状態でお客様が来る流れをつくる取り組み、それが不動産マーケティングと言えます。

営業は「点」、マーケティングは「線」

営業とマーケティングの違いは、こんなふうにイメージすると分かりやすいでしょう。

  • 営業(セールス):目の前のお客様を説得し、契約印をもらう役割(点)
  • マーケティング:まだ会っていないお客様に見つけてもらい、興味を持ってもらい、来店したくなる気持ちを育てる役割(線)

点だけを強くしても、線が途中で切れていたら成約は増えません。そのため、まずは線をつなぎ直す視点をおさえておきましょう。

反響が出るまでの流れ

お客様は契約にたどり着くまでに、必ず次の5つのステップを通っています。

  1. 認知:「お、こんな物件(会社)があるんだ」と知る
  2. 比較:「他社とどっちがいいのかな」と調べる
  3. 検討:「一度、詳しく話を聞いてみよう」と考える
  4. 行動:問い合わせや来店予約をする
  5. 成約:契約する

この流れのどこかで詰まりが起きると、反響は止まってしまいます。
どこで流れが細くなっているのかを見つけ、スムーズに流れるよう整えることが、マーケティング担当者の役割なのです。

なぜ今、不動産会社ほど「マーケティング」が必要なの?

マーケティングの必要性を考える男性のイラスト

「昔はポータルサイトに載せておけば、電話が鳴り止まらなかった」ベテランの社長ほど、そう感じる場面があるかもしれません。
しかし今は、「ただ載せるだけ」では結果につながりにくい時代になっています。
背景には、はっきりした変化があるのです。

物件の探し方が「スマホ前提」かつ「超・比較検討型」に変わった

いまのお客様は、問い合わせボタンを押す前に、平均して3〜5社のサイトや口コミを見比べています。
スマホの画面の中で、「この会社は信頼できそうか」という一次審査が、すでに終わっている状態と言えます。

そのため、最初に見られるのは物件そのものだけではありません。会社の考え方や姿勢まで含めて、静かに比べられているのです。
だからこそ、「誰に」「どんな理由で選ばれたいのか」を整理することが欠かせません。
感覚だけに頼らず、指標をもとにターゲットに合ったマーケティングを考えてみてください。

ポータルサイトだけでは「価格競争」に巻き込まれる

ポータルサイトは、今も強力な集客ツールです。ですが、役割としてはあくまで入口にすぎません。
同じ物件が複数の会社から掲載されているとき、お客様は次のような点で会社を選ぶ傾向があります。

  • 仲介手数料が安い
  • キャンペーンがある
  • 問い合わせへの返信が早い
  • 条件整理がうまく、提案がずれていない
  • 検討中のフォローがていねい

ここでマーケティングの考え方がないと、どうなるでしょうか。
気づかないうちに「手数料の値引き合戦」という消耗戦に巻き込まれてしまいます。
利益を守るためにも、自社の強みをどう伝えるか、追客をどう仕組み化するかが重要になっているのです。

不動産マーケティングのはじめ方|失敗しない「3ステップ」

施策の成功に向けて駒を進める手元の画像

では、具体的に何から始めればいいのでしょうか。
いきなり「インスタをやろう」と手法に飛びつくのは、遠回りになりがちです。まずは、3ステップで整理していきましょう。

ステップ1|ターゲットを「具体名まで」落とし込む

「30代ファミリー」といった広い設定では、メッセージはぼやけてしまいます。
結果として、誰の心にも刺さらない内容になりやすいのです。

そこで、具体的なお客様を1人だけ思い浮かべてみてください。いわゆるペルソナを描く作業になります。

    • 悪い例:さいたま市で家を探している30代夫婦
    • いい例:さいたま市〇〇区の「△△小学校区」限定で探している。共働きで忙しく、駅徒歩10分以内が絶対条件。休日はショッピングモールによく行く。

ここまで絞ると、発信する内容が自然と見えてきます。
小学校区の情報や駅からの近道動画など、「これ知りたかった」と思われるネタが浮かびやすくなるでしょう。

ステップ2|自社の強みを「選ばれる理由」に翻訳する

次に取り組みたいのが、自社の強みを言葉にすることです。ここでのポイントは「特徴」を並べることではありません。

お客様にとって、どんないいことがあるのか。そこまで噛み砕いて表現してみてください。

特徴 翻訳後
創業30年の実績 地主様とのつながりが強く、ネットに出ない未公開物件をご紹介できます
スタッフが全員地元出身 治安やスーパーの価格など、住んだ人だから分かる情報をお伝えできます
対応が早い 夜20時まで内見調整ができ、一次返信は即日対応しています

この翻訳がうまくいくと、反響が重なったときに違いが出ます。
比較された場面でも、選ばれる理由を自分の言葉で伝えられるようになるでしょう。

ステップ3|チャネルを「即効×積み上げ」のバランスで選ぶ

さいごに考えるのが、どの媒体を使うかという点です。コツは、すぐ効くもの時間をかけて育てるものを組み合わせることにあります。

種類 手法 特徴
即効型 ポータルサイト
リスティング広告
お金を出せばすぐ見られますが、止めると反響も止まります。早く結果が欲しいときに向いています
積上型 自社ホームページ
ブログ・SEO
SNS
効果が出るまで時間はかかりますが、育てば広告費をかけずに集客できます
追客型 LINE・メルマガ
顧客管理(CRM)
過去の反響を活かし、取りこぼしを減らします。費用対効果が高い手法と言えます

ぜひ、この表を見ながら「今月は即効を厚くする」「来季は積み上げを育てる」など時期ごとに決めてみてください。

不動産マーケティングでおすすめの手法

自社にピッタリのマーケティング手法を発見した男性のイラスト

ここでは、不動産会社が取り組みやすい主要なマーケティング手法と、その使いどころを整理します。

ホームページ・ブログ(SEO)で信頼資産を育てる

自社サイトは、いわばネット上の店舗です。
物件情報を並べるだけではなく、お客様が検索しそうな悩みに答える記事を書くことで、Yahoo!やGoogleからの流入が広がります。

営業の現場で、何度も説明している話題はありませんか?
それを文章にして置いておくだけでも、あとから効いてくることが多いです。

おすすめのキーワードは「エリア名×悩み」

  • 「〇〇区 治安」
  • 「〇〇市 学区 おすすめ」
  • 「〇〇駅 ランチ」
  • 「〇〇区 賃貸 初期費用 抑える」 など

これらは、日々の接客で自然に話している内容でもあります。
記事にしておけば、商談中にブログを紹介できますし、後日じっくり読んだお客様から連絡が来る流れも期待できるのです。

大手ポータルに頼らず「地域独自の濃い情報」で賢く集客する具体的な手順について、もっとくわしく知りたい方は こちらの記事 もご覧ください。

ポータルサイトは「問い合わせ後の動き」で差がつく

SUUMOやHOME’Sなどのポータルサイトは、今も最強クラスの集客ツールです。ですが、競合が多いのも事実と言えます。
そこで差が出るのが、掲載情報の解像度と、反響が入った瞬間のスピードです。

明日からできる改善ポイント

  • 写真:必ず晴れた日に撮影しましょう。とくに水回りは清潔感が伝わるかどうかが分かれ目です
  • コメント:スペックだけでなく生活が浮かぶ表現にしましょう(例:「南向き」→「洗濯物がよく乾く南向き」)
  • 初期対応:反響メールには5分以内に自動返信が届く設定にし、他社より先に接触しましょう

このひと手間が、あとから大きな差になっていきます。

Web広告(リスティング・SNS)は小さく試す

Web広告は、大きく分けて2種類あります。共通して大切なのは、誰に届けるかを絞ることです。
無関係な人に表示されると、広告費はすぐに消えてしまいますので、ターゲティングを最初に丁寧に考えておきましょう。

リスティング広告(検索連動型)

Googleなどの検索結果の上部に出る、文字だけの広告です。今すぐ探している人に強いのが特徴と言えます。

  • 絞り方:検索キーワードで絞る
  • 悪い例:「マンション 購入」(競合が多く高い)
  • いい例:「〇〇区 中古マンション ペット可」(具体的で安い)

SNS広告(Instagram / Facebook / X)

タイムラインの間に表示される、画像や動画の広告です。
「まだ具体的ではないけれど、興味がありそうな人」に届きます。

  • 絞り方:住んでいる場所・年齢・興味で絞る
  • 悪い例:日本全国の20〜60代
  • いい例:「店舗から半径5km以内」×「既婚・子供あり」×「インテリアや引越しに興味がある人」

SNS広告の強みは、エリアと属性を細かく切れることです。
「地元の30代子育て世代だけにチラシを配る」感覚で、月3万円ほどから試してみてください。

SNS(Instagram / YouTube / X)は「ファン化」装置

はじめてのSNS運用で、映えを意識しすぎる必要はありません。
作り込まれた写真よりも、人の顔が見えるリアルな投稿のほうが、親近感は伝わりやすいと考えられます。
「この人に相談したい」そう思ってもらえる関係づくりが、SNSの役割なのです。

スマホ1台で撮れる投稿ネタ

  • ルームツアー:玄関からバルコニーまでを歩き撮り(無加工でOK)
  • 街紹介:会社近くの定食屋さんや、よく行く公園
  • お客様の声:成約後のお客様との記念写真(必ず許可をいただく) など

LINE・メルマガ・CRMは「追客の自動化」で最強のコスパを発揮

じつは、中小企業がとくに力を入れたいのがここです。
一度問い合わせをくれたお客様に、定期的に連絡を取ることで、他社への流出を防げます。
手動で続けるのは大変ですが、仕組みを使えば自動化できます。この差は、半年後にははっきり表れてくるでしょう。

効果が高い配信内容(開封されやすいメール)

  • 新着物件通知:「〇〇様の条件に合う物件が出ました」
  • 価格変更通知:「気になっていた物件が200万円下がりました」
  • お役立ち情報:「失敗しない住宅ローンの組み方」「引越しチェックリスト」
  • こうしたメールを週に1回でも送れるかどうかが、半年後の売上に直結します。

マーケティングの成果が出る会社は「数字の見方」が違う

ゴールへ向かう男性のイラスト

マーケティングは、数字と向き合う仕事です。
「なんとなく今月は調子が悪そうだから、広告を増やそう」そんな感覚だけで予算を決めるやり方は、そろそろ手放してもいいころと言えます。

大切なのは、ゴールから逆算して数字を見ることです。成果が出ている会社ほど、見る数字をしっかり選んでいます。

まず見るKPIは5つ(PV・流入・CVR・反響数・来店率)

初心者の方ほど、Googleアナリティクスの細かい指標に目が向きがちです。ですが、最初は次の5つだけ見ていれば十分に戦えます。

指標 意味 まずやるべき改善例
PV ページが見られた数 記事や物件紹介ページを増やす
流入経路 どこから来たか SEO・広告・SNSの力の入れ具合を調整する
CVR 問い合わせ率 入力フォームを簡単にする、不安を消す情報を足す
反響数 問い合わせ件数 上記3つ(入口施策)を強化する
来店率 来店につながった割合 初回返信のスピードを上げる、追客メールを見直す

まずはこの5つを月1回チェックすることから始めましょう。

KPIツリーってなに?

「広告を出したけれど、効果があったのか分からない」
そんな「なんとなく広告」を防ぐために、ゴールから逆算する癖をつけておきましょう。

そこで役に立つのがKPIツリーです。
これは売上のような大きな目標を、それを支える小さな数字に分けて、やることを見える形にする方法のことです。

たとえば、「月に3件の成約」が欲しいとします。

  • 【ゴール】 目標成約数:3件
     ↓ 成約率が10%なら(10人に1人が決まる)
  • 【必要】 反響数:30件
     ↓ CVR(問い合わせ率)が1%なら(100人に1人が問い合わせる)
  • 【行動】 必要PV数:3,000PV

こうして並べてみると、考えることは一気に具体的になります。

「今月は2,000PVだから、あと1,000PV増やすにはブログを2本書こう」そんな行動に、自然と落とし込めるようになるでしょう。
ざっくりでもいいので、この数字を社内で共有しておくだけで、会議の空気は前向きに変わっていきます。

集客がうまく回らない会社に共通するポイント

注意点をチェックする男性のイラスト

ここまで、さまざまな手法を見てきましたが、最後にいちばん大切なことをお伝えします。

おおくの会社は「どうやって集客しようか」と考えがちです。
しかし本当に先にやるべきなのは、集客の蛇口をひねる前に、バケツの穴をふさぐことなのです。

広告を増やしても、追客や管理が弱ければ成果はこぼれ落ちてしまいます。この順番を間違えないことが、結果を分けるポイントです。

よくある失敗|反響対応が遅い・忘れる・履歴がない

「忙しいから、あとで返そう」このひと言が、いちばん危ないサインです。
お客様の比較検討は想像以上に早く進んでいます。そのため、翌日の返信では熱が冷めていることも珍しくありません。

不動産の現場で、次のような状態はありませんか?

  • 反響メールへの返信が半日以上あとになっている
  • お客様の条件メモが、誰かの机の上に置かれたまま
  • 「検討します」と言われたあと、追客せず自然に終わっている

これらはすべて、バケツに穴が空いている状態と考えられます。

あるデータでは、問い合わせから1時間以内に連絡が取れた場合と、翌日以降の場合とで、成約率に約7倍の差が出るとも言われています。スピードは、想像以上に結果へ影響しているのです。

「忙しいだけ」になっている原因を見える化しよう

「マーケティングに取り組みたいけれど、毎日忙しくて手が回らない」そう感じている方もおおいでしょう。
そこで一度、次の業務に時間を取られていないか、見直してみてください。

業務内容 アナログな会社(ムダが多い) マーケティングができている会社
反響処理 ポータルのメールを見て手入力 システムが自動で取り込み
初回返信 毎回メール文面を作って送信 自動返信・テンプレートを活用
物件紹介 図面を探してPDF化 条件に合う物件を自動で配信
来店調整 電話の行ったり来たり カレンダーツールで予約
追客管理 エクセルや記憶に頼る 「今日電話すべき人」を通知

このムダな時間を残したまま広告費をかけるのは、正直もったいないと言えます。逆に言えば、このバケツの穴さえふさげば、今と同じ反響数でも成約は大きく伸びる可能性があります。
まずは「増やす」より「こぼさない」。その視点を、おさえておきましょう。

さいごに

不動産マーケティングとは、難しい理論や分厚い本を読むことではありません。お客様との接点を太くし、逃さない仕組みをつくることが本質です。

しかし、少人数の会社で「ブログも書いて、すぐ返事をして、追客も続ける」
これをすべて人の手で回すのは、正直むずかしいと言えます。

そこで大切になるのが、役割の切り分けです。人がやるべきこと(接客)と、機械に任せられること(集客・追客)を分けて考えてみてください。

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